山の庵の三つの灯火
- 2022/07/23
- 13:40

灰色の空 コロナ第七波そぼ降る雨に 鳴かぬヒグラシ山の庵に 独り籠り仰向けになり 見上ぐ山桜の木上の枝より 落ちる雫(しずく)に揺れ跳ね戻った 下の枝の葉鳴かぬ蝉も鳥も ただ雨と沢の音だがヒヨドリのみ 雨でも元気ヒヨヒヨと鳴き 枝飛び移りついばむ赤い 光る小さな実雲の帳(とばり)に 隠れ見えない日は沈む西に 気づかれずひっそりロフトに上がり ランタンに火灯し祈る神々に 森羅を創りしお方に日よ月よ星よ ...
白山の堅豆腐
- 2021/02/08
- 20:09

「白山ハ山嶽ノ神秀ナル者也。美濃飛騨越前越中加賀五箇国ノ境ニ介在(はさま)ル。」(藤原敦光「白山上人縁記」、原漢文) 白山麓に共通して存在するものといえば、真っ先に思い浮かぶのは雪。ここ数年は山上に雪はあるものの、山麓は雪の少ない年が続いていました。しかし今年(2021)は山麓にもたっぷり積もっています。 恐竜などの化石も、白山麓に分布する手取層群(ジュラ紀中期~白亜紀前期)から大量産出しています。昨日(2月7...
権現山より白山遥拝
- 2021/01/31
- 19:17

緊急事態に不要不急の外出を控えていると、自ずと外出費は浮く。しかし、モロ松は今月の電気代請求書を見て目ン玉が飛び出そうになった。たしかに、真冬に家に居る時間が増えれば暖房代は馬鹿にならぬ。 2021年1月末日、雲は多いが天気は回復傾向。モロ松は暖房を切り、昼前に寺尾ヶ原へとマイカーを走らせた。一昨日の雪がまだ積もっており、手ブラに長靴姿で雪道を東へ歩いていった。積雪は深い処で二十センチ弱。谷を渡って...
朝三暮四
- 2021/01/29
- 14:18

ドカ雪で始まった丑年おまけに緊急事態宣言山小屋に行きたいのは山々いつになったら行けるのだろか一月後半 温(ぬく)とい日続きそろそろ行こかとその気になるも一月末にまた来た寒波チェーン巻いてまで行く気にゃならぬ荘子オジサンこう書いたサル飼う人がサルたちにトチの実見せてこう言った「朝は三つで暮に四つだ」サル皆怒った そこでこう言った「朝に四つで暮は三つだ」サルたちみんな喜んだ一日七つに変わりはないのにコロ...
病床使用率百パーセント
- 2021/01/15
- 22:14

一気に積もった大量の雪除雪追いつかず通行止だ集落孤立し車立往生除雪作業員さん有難う一挙に増えたコロナ感染者病床逼迫行き場がないよどこへ行くやら右往左往医療従事者さん有難うモロ松愛する白山麓の山河麗しき圏域は病床使用率百パーセント山登りどころの話ぢゃないよ山でケガでもしてみろよ雪道で事故を起こしてみなよ地元の人たち大迷惑さ救える命をこそ救わねば天下の難事は安易なことから起こるチョロいと見くびりゃイタ...
パンデミック「再」宣言
- 2021/01/14
- 10:39

新年早々、再び発令された緊急事態宣言。昨年(2020)4月7日に七都府県に発令され、4月16日に全土に拡大されて以来、九ヶ月ぶりの発令です。今回は1月7日に一都三県に発令、13日に十一都府県に拡大され、期間は今のところ2月7日まで。昨年四月五月の緊急事態宣言下、野人は老子爺さんの「道徳経」五千言と日々向き合い、中国語で読誦し「パンデミック訳」しつつ、パンデミック下さらにパンデミック後をいかに生きていったらよいの...
コビッドラプトル
- 2021/01/02
- 12:07

年明け モロ松訪れた郊外の町最近 辺りに出没しているという小型で すばしこい肉食恐竜駅から 小川を渡って歩を進めるとギャーッ!と どこかで奴のかん高い声大きな 建物に着き上る途中も外から 奴の声が響いていた誰もが 不安にかられた目つきをしていた突然 建物の外で人の悲鳴がとうとう 奴は此処までやって来た誰もが 右往左往し逃げまどうモロ松 非常階段降りてゆく下には バスが一台停まっていた急いで 皆で駆...
青い牛
- 2020/12/27
- 09:04

ひっそりとした 正月世界は白々しく 明けるきみと一緒にいたい夜も昼も!何も変わらない 正月この正月・・・いつかまた会えるだろういつかまた会えるだろう・・・(U2「ニュー・イヤーズ・デイ」、拙訳) ドラえもんのどこでもドア、アラビアンナイトの魔法の絨毯、孫悟空の觔斗雲(きんとうん)。疫病のさ中にあっては、古今東西誰もがこのようなモノにあこがれるもの。しかし、生身の現代人にはオンラインで会えるのがせめてもの慰めで...
美言は信ならず
- 2020/08/01
- 21:14

「老子」の最終章に、こうある。「誠実な言葉は美しくない、美しい言葉は誠実でない。」(「老子」第八十一章、拙訳)四月・五月の「緊急事態」中から、「新しい生活様式」とか「アフター・コロナ」などとカッコイイ言葉を口にする人は増えた。だが、七月に入ってからのCOVID-19感染者の増加をボーッと見過ごしてきた政府を始めとする人たちの無能ぶりを見れば、「アフター・コロナ」は中身のない美言にすぎなかったのだろう。 4...
なぜと問うなかれ
- 2020/07/07
- 08:54

COVID-19によるパンデミックで、世界中ですでに五十万人以上が亡くなり、日本で亡くなった方も千人に迫っている。COVID-19と名づけられたこのウイルスに、私たち人類は得てして、こう問いかけたくなる。「なぜこんなコトをするんだ?」「何のためにそんなコトするのよ!」 「荘子」外篇に、こんな話がある。「夔(き)という一本足の獣が、ムカデに言った。「オイラは一本足でピョンピョン歩くが、アンタにゃかなわん。今、アンタ...